「久しぶりだなぁ。」


「……きっとみんな待ってる。」


「行くぞ」



「うん。夏目、司。」














カツカツとヒールを鳴らして、私は夏目と司と一緒に空港をでた。















あれから高校を卒業すると、ひと足早く昴と佑と陸は進学し、すぐに私と凪も自分たちの道へ進んだ。

昴は県外の大学へ。

佑は親の会社を次ぐために大学へ行った。

陸も医者になるため大学に。

凪も近くの大学へ進学した。


みんな大学へ行ってバラバラになってしまった。



私はと言うと、

昨日まで海外にいた。


夏目と、司と。


司……烏丸はあれから天霧組へ来て私と夏目と行動を共にすることが多くなった。


夏目はあまり納得していなかったが今じゃ仲良くやってる。


海外で何をしていたかと言うと、単純な理由だ。


お母さんに、会いに行っていた。


私を、産んでくれたお母さん。


死んでいた、と話されていたが生きていたんだ。

お父さんが、お母さんを捨ててすぐ私を育ててくれたお母さんと再婚したらしくて。

私を育ててくれたお母さんは残念ながらもう既にこの世にいなかった。


病死だったそうで。

日本にあるお母さんの実家へ言ったらそう告げられて、1通の手紙を貰った。


そこにはお母さんの気持ちが便箋5枚分、書かれていた。

その内容は私の中にしまっておきたいから内緒にさせて。

ただ、お母さんは私とお父さんを愛していたよ。


そして私を産んでくれたお母さんの住所が書いてあったんだ。




みるとフランス。



すぐに飛んでいった。





するとお母さんは私のことを覚えていて。

でも既に新しい家庭があった。

そこには私の居場所も何も無かったけど。

お母さんが幸せで嬉しかった。




そして私は、日本ではなくフランスで産まれたらしく。


私が、産まれた土地で過ごしたいと思ってしばらく住んだ。



まぁ流石に1人で行くのは許されなくて夏目と司がついてきたって話なんだけど、行ってよかった。



と、心から思っている。




そしてフランスへ行って7年。

私は25歳。

あっという間に月日は流れた。


正直、こんなにいるつもりはなかったけど。


気づいたらこんなに経ってた。




そして今日、日本に帰ってきた。