バシンッ
ゴスッ
赤に黒、全部私の血。
バシンッ
「…っ」
「痛いか?」
「……」
「苦しいか?」
「……」
「なんか言ったらどうだ」
「……」
「…まぁいい。ゆっくり行こう。
時間はたくさんある」
おしゃれな壁紙にじゅうたん。
金持ちが住んでいるような豪邸の一部屋。
こいつの家だ。
……実際、こいつは金持ちだ。
「ここはお前の部屋なのに、寂しかったぞ。
しばらく空っぽだったからな」
男はそう言って部屋を見渡す。
「へぇ、いい気味」
囁かな抵抗をしてみるも、
バキッ
すぐに殴られる。
……わかっていたけど。
それをわかっていて言う私もなかなか趣味が悪い。
「お前、誰にそんな口聞いてる?」
「ごめんなさい」
私が謝れば快感を覚えたような顔。
こいつもなかなか悪趣味……。