そして陽炎の倉庫へ行くと、そこはとても賑やかだった。
そして当時の総長に全てを話した。
そしたら
「……お前の気持ちはわかるが、両親の気持ちもわかる。
お前のことを思ってついた嘘だ。許してやりな」
って。
自分の事のケリがついたらまた来いって。
待っててやるって言ったんだ。
心ではわかっていたんだ。
2人が俺のことを思っていたって。
だけどそれを素直に受け止められなかった俺を、そんときの総長はすんなり受け入れさせてくれた。
そして1度倉庫を出る時、昴に言われた。
「…俺んとこの総長すげーだろ。
あ……俺らのとこか。
待ってるからな」
「うぅ………」
それにまた涙が出て。
そして俺は1度家に帰ると親に謝った。
「……ごめんなさい」
両親は最低な事を言って家出までした俺を、強く強く抱きしめた。
「ごめんね陸」
二人口を揃えて言った。
「ごめんなさい」
そして俺も謝った。
傍から見たら何してんだって感じだけど、それがやっと両親と分かり合えたって思えた時だった。
「俺…友達が出来たんだ」
そして、いままでずっと2人の邪魔になると思ってしてこなかった自分の話をしてみた。
「……昴のとこ、行ってもいい?」
心配そうにいう俺をよそに、2人は笑顔で。
「もちろん」
「友達は大切にしなさい」
って。


