「美月様。お召し替えを。」


「美月様⁉︎あ、あの私偉い人とかじゃないんで、普通に美月でいいです」


「何をおしゃってるんですか?美月様は女神様だと伺っております」


女神…そうだ、皆私を女神っていうけど女神って何なんだろう?


「あの、とりあえず名前教えてください」


「マリとお呼びください」


「マリね。ねぇ、マリ。女神って何?」


マリは少し困った顔をして答える


「詳しい事はライアン様にお聞きください」


「わかった」


あとでライアンに聞くしかなさそうだな


「それより美月様。お召し替えを」


そう言って私の服を脱がそうとするマリ


服を脱げば体中の痣が見えてしまう


「ま、待って!」


私の言葉は虚しく、上の服が捲られる


「美月様、この痣は⁉︎」


「み、見ないで‼︎」


慌てて服を下す


「…申し訳ありません。ご自分でなさいますか?」


頷くとマリは私に服を渡し後ろを向く


私は制服を脱ぎ渡されたワンピースに着替える


幸い袖も裾も長いから痣は見えない


「あの、マリ…ごめんなさい。怒鳴ってしまって」


「大丈夫ですよ。辛い思いをなさったんですね。私に話せなくてもライアン様は優しくて良いお方ですから、頼りになりますよ」


ライアンは皆に慕われてるのかな


「ライアンはどんな王様なの?」


「ライアン様は1年前、王になられました。ライアン様のお父様、つまり先王は戦を繰り返し、民は疲れ国は乱れました。

そんな時父君である先王を撃ち王になられたライアン様は戦を終わらせ、民の希望となりました。」


「そうなんだ。素晴らしい王様なんだね。だから街でもあんなに慕われてたんだ」


あの時、街の人はライアンを見たら皆寄ってきてた


あんなに大勢の人に慕われるのはそんなに簡単な事じゃない