杏がアパートを出たあと、残されたエルは悔しそうに天を仰いで拳を握った。

「言うことさえもダメなのかよ。」

 先輩に言われた「お前じゃ幸せにできない。」の言葉を思い出して、その言葉が胸に突き刺さっていた。