しばらくぎゅとしたあとにエルが思い出したように言った。
「ねぇ。靴ずれに絆創膏を貼らなきゃ。ストッキング脱がしてもいいですか?」
信じられない言葉を無邪気に発したエルに杏は反射的に体が動いた。
パチンッ。
「いったぁ。痛いじゃないですか…。」
頬を押さえ涙目で見るエルの腕から離れると脱衣所で部屋着に着替えた。
いくら悪気がないからって言っていいことも、やっていいことも分からないのかしら。あの子は。
脱衣所から出てきた杏はエルを見るとフンッと顔をそらした。
「なんで怒ってるんですか?杏さん。」
つきまとってくるエルに杏はにらんで言った。
「無邪気なら何してもいいってもんじゃないのよ。」
「ご、ごめんなさい。でもあの…僕そろそろ用事が。行かなきゃいけなくて。絆創膏…。」
「行けばいいんじゃない?」
沈黙が流れた。
その沈黙にエルがショックを受けたことが伝わる。
「…はい。いってきます。」
寂しそうに言ったエルに素直になれずに何も返事をしないままだった。
「ねぇ。靴ずれに絆創膏を貼らなきゃ。ストッキング脱がしてもいいですか?」
信じられない言葉を無邪気に発したエルに杏は反射的に体が動いた。
パチンッ。
「いったぁ。痛いじゃないですか…。」
頬を押さえ涙目で見るエルの腕から離れると脱衣所で部屋着に着替えた。
いくら悪気がないからって言っていいことも、やっていいことも分からないのかしら。あの子は。
脱衣所から出てきた杏はエルを見るとフンッと顔をそらした。
「なんで怒ってるんですか?杏さん。」
つきまとってくるエルに杏はにらんで言った。
「無邪気なら何してもいいってもんじゃないのよ。」
「ご、ごめんなさい。でもあの…僕そろそろ用事が。行かなきゃいけなくて。絆創膏…。」
「行けばいいんじゃない?」
沈黙が流れた。
その沈黙にエルがショックを受けたことが伝わる。
「…はい。いってきます。」
寂しそうに言ったエルに素直になれずに何も返事をしないままだった。