そして、あっという間に放課後になった




HRが終わった頃




何故か廊下が騒がしくなった




特に騒いでる声のほとんどが女の子のものだった





アイドルをみる女の子みたいな声






何、アイドルでもこの学校にいるの???






「桜?」




なんて、廊下の方をボーッと見ていると





心地いい声がすぐ傍で聞こえた





そこに目を向けると




「ヒロくん」




不思議そうな顔をしたヒロくんがいた





そして、その隣には久しぶりに会う





李緒くんもいて




つい笑顔になった





「李緒くん!!!
久しぶり!!!!」




思わず興奮して、つい大声で出しちゃった私は





ただでさえ注目されていた視線が





さらに向けられて





少し恥ずかしくなった






「なに、李緒
この学校のアイドルなの?」




「んなんじゃねーよ
コイツだよ
陽斗がこの学校の王子様なんて言われてるからだろ」




そう笑いながらヒロくんを指さす李緒くん





ヒロくんが王子様???




てことは、さっきの騒ぎは




ヒロくんが廊下を歩いていたから???





でも、今思えば





当たり前だ





中学の時もヒロくんが私の教室に来ると廊下が騒がしくなっていたのを思い出す






だから、つい苦笑いになったのが分かる。






「唯奈、久しぶりだね。
桜帰ろう?」




そう言って私のスクールカバンを持つヒロくん





「陽斗くん、お久しぶりです」




「ヒロくん!!荷物自分で持つよ!」





そう追いかけるように私たちは教室を後にした





みんなに注目されるなか




みんな並んで楽しく話ながら下駄箱まで行った