「ごめん春。
今日も一緒に帰れないんだけど、家着いたら連絡くれる?」
放課後になって朝木君が私に声をかける。
今日も…帰れないんだ…。
「そ…そっか!
家着いたら連絡するねっ!」
どこか行くの?って聞きたいのに…
聞く勇気がない…。
「うん、気をつけて帰るんだよ。
またね」
朝木君はフワッと私に笑いかけて私に背を向ける。
「聞くタイミング…
どうやって作ったらいいんだろう…。」
朝木君…今日は何時に家に帰るのかな…。
そうだ…
私は教室を出たばかりの朝木君を追いかけて…
「あ…朝木君!!」
廊下を歩く朝木君を引き止めた。

