今のこの状況が全く理解出来ない。
もちろん朝木君が私達に気づくことはない。
それに私だって聖夜君とカフェに来てるし…
「も…もしかしたら朝木君も私達みたいにご飯とか…」
がんばって作った笑顔がすごく引き攣っているのが自分でも分かる。
「…じゃああいつとなんで一緒にいないの?」
聖夜君の私を見る目が少し怖い。
「用事あるって……」
その言葉に苦しくなる。
「人間やましい事がある時程理由なんて話さない。」
聖夜君の言葉がグサリと突き刺さる。
分かってる…
分かってるけど目の前の現状を信じたくない自分がいるのは確かで…
「あ…朝木君は…そんな人じゃ…」
私がそこまで言いかけた時聖夜君がテーブルを数回叩いた。
「彼氏のこと信じたくなる気持ちも分からなくないけど…
俺的にちょっと怪しいと思うよ」
聖夜君は真剣な顔でそう言った。

