「イルカとかペンギン?」
朝木君の発言に口元が緩む。
か…可愛い…。
確かにイルカとペンギン、私も好きだけど朝木君が言うとなんでか可愛い。
そんなことを考えているとほっぺに違和感を感じる。
「なーに笑ってるの春」
少し意地悪な顔をしながら朝木君が私の頬をムニュッと掴んでいる。
こんな顔初めて見た。
「ご…ごめんらさい…」
掴まれてたら上手く話せないよ…!
「ほら行こう」
フッといつもの優しい笑顔に戻って朝木君は手を離す。
「う、うん!!」
その日私達は初めてのデートをして今までより少し仲良くなった、そんな気がした。

