「でもね、一つだけ贅沢を言っていいかな」




大好きな遥希に言う。




「今は忘れさせて欲しいの。

遥希はただの遥希で、あたしの恋人。

遥希を独り占めしたいな」



「……当たり前だろ」







あたしの唇にゆっくり重ねられる、柔らかくて温かい遥希の唇。

その唇に触れると、遥希の元カノや立場なんて忘れてしまいそう。

……そう。あたしの前では、あたしだけの遥希でいて。

あなたのことが、こんなにも大好きです。





ー完ー