そのキスで、忘れさせて






結局、遥希は何が言いたいんだろう。

あたしは黙って遥希を見た。

そんなあたしに、遥希は衝撃的な言葉を吐いた。





「俺だって、好きでTODAYにいるわけじゃねぇ」



「え?」



「子供の頃に親に事務所に入れられて、テキトーにユニット組まされただけ。

だから性格も合わないし、絶対仲良くなるタイプじゃねぇ、チンカスとかハゲとか」



「そっか……」




ハゲ……新しい人物のことはスルーした。

そんなこと聞いている雰囲気でもなかったから。




てっきり遥希は好きでTODAYにいると思った。

好きであの煌びやかな世界にいると思っていた。

遥希の言葉が胸に突き刺さる。

まるで、ガラスの破片みたいに。