遥希の家の、大理石のキッチンを使うのは気が引けた。

でも、使わなきゃ宝の持ち腐れだと思い、汚さないように汚さないようにと頑張った。

……今日が土曜日でよかった。

こうやってゆっくり料理を作って、遥希を待てる。





ーご飯あるから




遥希に連絡する。




ー美味しいかは分からないけど





遥希は弁当や外食ばかりなんだろう。

高級レストランに比べたら味は劣るけど、栄養はたくさんなんだから!

遥希の喜ぶ顔が見たくて仕方がない。

あたし、なに遥希に尽くしてるんだろう。