そのキスで、忘れさせて







マンションから外に出て、停まっている誠の車に荷物を乗せる。

そして、笑顔で誠に手を振ろうとした時……

不意に手を掴まれた。

バランスを崩したあたしは、不覚にも誠の腕の中に倒れこむ。

そして、誠にぎゅっと抱きしめられた。



「!?」




咄嗟のことで声も出ず、慌てて誠を引き離そうとする。

だけど、男の力で抱きしめられ、身動きが取れない。