「やだもう、本当に可愛い子!ちゅーしちゃう!」 「やめて」 私を抱きしめて頬にキスをしようとする母をするりと交わして立ち上がる。 そろそろ飲み物がなくなるから下に取りに行こうとお母さんの背中を押して部屋から追いやる。 「あ、そうだ優衣」 「なぁに?」 部屋を出る前、お母さんが顔だけをこちらに振り向かせて思い出したように言葉を紡いだ。 「薫くん来てるわよ」