「優衣ー」 「はーい」 扉の向こうで母の声が聞こえて、テレビの音量を少し落として返事をする。 ほどなくして部屋の扉が開かれて、ご機嫌な様子の母が顔を出した。 「お母さん、千里ちゃんと飲みに行ってくるわね〜」 千里ちゃん、というのはお母さんの高校時代からの親友らしい。 時々こうして夜に飲みに行くことがある。