昼休みは学生で賑わう中庭だが、それと打って変わって放課後はほとんど人が来ることはない。 ましてや今は冬。 わざわざこんな所に好き好んで出向く人はいない。 「増田先輩、こんにちは。私のこと、覚えてますか?」 この数年間、憧れをこじらせすぎて話すことも出来なかった人。 今はなぜだかすごく頭の中が冷静だった。