「私……先輩に捨てられた……」 「せんぱいに」 美香の言葉に私は思わず震える声をもらして、彼女の顔を見た。 泣き腫らしたような真っ赤な目尻に少し充血した目。彼女がとても嘘をついているようには思えないが、私は耳を疑わざるを得なかった。 「優衣、聞かなくていい!」 由美子が慌てて美香の腕を掴んで私から引きはがす。 彼女は特に抵抗することなく由美子に引き上げられ、力なく立ち上がってからまた床に座り込んだ。