「これって……」


「ICチップが埋め込んであるから玄関のとこにある機械にかざせばドアが開く」



裏返して見れば、確かにクレジットカードの表についているような金色のチップが埋め込まれているようだった。



「逢坂くんはどうやって入るんですか?」


「ああ、それ砂川のマネージャーに頼み込んで貸してもらったやつだから。俺のはちゃんとカードがある」



なるほど、と小さくつぶやいて、私は落としてしまわないようにストラップを首にかける。


どう頼み込んだのか気になるけど、恐らく本当のことを知らずに共犯者となって顔も知らないマネージャーさんに心の中で深く謝罪をした。