けれど、ルークは志乃の分の銃を背中にかけると、すくりと立ち上がった。
「ついてこい」
「へ?」
フォローミー。
一瞬、言葉の意味が分からなかった。
「来い」
カム。
志乃は言葉も出ずに頷く。
え、あれ、なんでだ。
なんでこの人、私のこと待ってくれてるんだ。
不思議な気分のまま扉の前に立ち、こちらをうかがうルークの元へ走る。
なんだか分からないが、この人はいい人そうだ。
こんな銃も扱えないお荷物の命でも守ろうとしてくれる。
なんて素晴らしい人なのだろう。
「一生ついていきます」
「?」
「アイウィル、フォローユー」
あなたについてゆきたい、と松田聖子の歌を脳内で思い浮かべながらルークの背中についてゆく。
志乃の目線ではルークの腰上あたりがちょうど見える位置だった。
大きい人だなぁ、と思いながら志乃は進んだ。
そうして最初に扉が開いてから2分50秒。
51ヵ国144人全員が、第7次世界大戦の戦場へ足を踏み入れた。


