振り向けば、そこに居たのは沢山の資料を持ったいっちゃん。


「悪い。帰る前にこれ運ぶの手伝ってもらえるか?」

「あっ・・・はい」


まさか帰る前にいっちゃんに会って、しかも呼び止められるなんて思ってもなかったから、頭は完全にフリーズ。


とりあえず、下りる途中だった階段をぎこちない足取りで上っていく。


「先生~、私たちも手伝いますよ?」


階段から彩ちゃんの声が届く。

あ、どうしよう、カラオケ。


その場であたふたする私に、いっちゃんは持っていた資料の3分の1を渡す。

う、結構重い、これ。