突然出たいっちゃんの名前に驚く私にお母さんは「そんなに驚くことないじゃない」と笑う。


「昔、よく食べに来てたじゃない。覚えてないの?」

「いや、覚えてるけど・・・」


覚えてるよ。
覚えてるけど、今いっちゃんの話は私の心臓に悪いよ。

そんなことは思ってもないお母さんは更に爆弾を落とす。


「今、小春の学校で先生やってるんでしょ?今度食べに来るよう言っといてよ」

「ええっ?!」


家に?!いっちゃんを?!誘う?!?!


口をパクパクさせながらお母さんを見つめるけど、私の顔をちらりとも見ずに、「久しぶりの伊織くん、楽しみだわぁ~」なんて鼻歌歌いながらキッチンに行ってしまった。


「ど、どうしよう・・・」