「…はぁ………」

「なにー、真琴。そんなに定期テスト悪かったの?」



体育祭が終わり、定期テストが終わり、11月。
もうすっかり寒くなってしまって、セーターどころかマフラーまで欲しくなってしまうこの頃。


ため息を吐いたあたしに、ヘラヘラ笑いながら理彩が覗き込んでくる。



「…別に、そうじゃないけど……」


テストは普通。
前回よりは確かに点が落ちてはいたけど、それはきっと、体育祭の日からあたしの頭の中を埋める、ヤツのせいだ。

…当の本人は、また10傑に掲示されていたけれど。



「って、だからそうじゃなくて!」


バンッと机を叩いて立ち上がって、
またすぐ沈み込む。


「……あたしは、最低かもしれない」

「え、なに、どしたのいきなり」



だって、だってさ?

悔しいけれど、癪だけれど、八神くんのことを、好きになってしまって。
新堂くんへの想いも中途半端に消えず。



「…二股してるようなもんじゃない?」


声に出して、更に落ち込む。

まさか自分がこんなに不埒な人間だなんて、思ってなかった。