「全く…先輩、なんで水分補給してなかったんですか。
しかも熱中症だって気づかないとか……」

「う…ご、ごめん。」


でも、だって、八神くんがゆり先生のところに行くから。胸のモヤモヤは、そのせいだと思ってたんだもん。

こんなこと言ったらまたからかわれるから、絶対言わないけど。



「でも、残念。見たかったな、リレー」

ぽつりと呟くと、隣の彼が、ムッとした表情に変わる。



「それは…新堂先輩の活躍ぶりを見るためですか?」

「………え、」


ピタリと、足が止まる。

あれ?
そうだよね、あたしが好きなのは新堂くんなんだし、応援するのは、新堂くん……。


でも、じゃあ、この違和感はなんだろう。

あたし、もしかしなくてもーーー………



「……!」

嘘だ、そんなの。ありえないよ。あたとしが、八神くんのことーー…


途端に恥ずかしくなって、顔も見れずに足を早める。


けど、



「待って、先輩」