1走の子がくじを引いて、「はぁ?!りんごジュース!??」と叫ぶのを見て隣から悪魔のような笑い声が聞こえてくるけど正直今はそれどころじゃなくて。
ドクドクと、胸がなる。
……いやいや、落ち着いてよ。
教師と生徒だよ??
なにもないに決まってる。
考えすぎだよ。
ふぅ…と一息ついて、2Lのりんごジュースやら校長先生の眼鏡やらを目当てに走りまくる彼らを見る。
まだ、あのくじは出ていないらしい。
八神くんは4走だし、それまでにくじが出なかったら、彼が好きな人のくじを引く確率はぐんと上がるわけで。
…そもそも1年生相手に好きな人って……。
上級生も容赦ない。
やっと学校に馴染めたくらいなのに好きな人なんて出来るわけないでしょ。
「そんなことないと思うけど」
「えっ」
理彩ってばあたしの心の中を……ってそうじゃなくて。
「だって5ヶ月だよ?そんな短期間で好きになるなんて無理な話…」
「えーでも八神くんとか八神くんとか八神は好きな人いるじゃんか。」
「っ、だから…!!」
八神くんはあたしのことからかって遊んでるだけ!!!



