【完】金曜日は、八神くんのモノ





「…で?愛しの新堂くんをおいて、例の常連様と帰った…と。

あんた、マジでどっちの方が大切なの」



「ゔっ…。だ、だって、八神くんが必殺技使うから…」



次の日、朝休み。

親友の代々木 理彩《Risa Yoyogi》に指摘されて、あたしは項垂れる。



だってさ、あれは八神くんが悪いよ。



『先輩、俺ずっと待ってたのに……』


なんて、涙目で言うから。

あたしが涙に弱いの、知ってるくせに。



「あーあ、真琴も面倒なのに懐かれちゃったわね〜」


「…他人事だからって、楽しんでるんでしょ」



睨みつけると、理彩は謝る事もなく、むしろ楽しそうに「あたり〜!」なんてヘラヘラしてる。



…全く、もう。

そんな呟きを、お茶と一緒に流し込む。




「ね、真琴。今日、一緒に帰ろ?
ついでにお昼ご飯もどっかで食べようよ」


「そうだね。確か、駅前に美味しいお店出来てた気がする」


「おお!
んじゃそこで食べよ!決まりっ!」




やった〜!と嬉しそうに笑う理彩に、あたしも微笑む。





あたし達の学校は、土曜日は午前授業。

お昼ご飯は学食もアリだけど、混むから家に帰って食べるか、食べに行ってる。



今日は図書委員の当番の日でもないし、理彩とゆっくり出来るな、なんて、そんなことを考えていたの、だけれど……。