「とにかくやらないったらやらない!
実行委員の仕事って、今日から体育祭までの2週間くらいでしょ?
めんどくさいし、何よりあたし、金曜日は図書委員の仕事があるの」
わざわざ新堂くんと会えるチャンスを潰してまで、そんな面倒なことに関わりたくない。
「なにさ、真琴のケチ。
一昨日は相談にのってあげたのに〜」
「うっ…」
「それに、さ。
『彼』にも今はあんまり、会いたくないでしょ?
少し距離とって、考えてみなよ」
「……っ、」
ーー図星だった。
確かに、新堂くんには会いたい。
彼と2人だけで話せる、あたしの特権。
だけど。
だけどそれ以上に、…八神くんを見たくなかった。
またゆり先生と話すのかな、2人の関係性は?
きっとそんなことばかり考えて、仕事もできない。
理彩と話した時には大丈夫だったけど、実際に会うってなると話は別で。
「……めんどくさいやつは全部理彩がやってよ?」
ため息をつくと、理彩はガッツポーズを決めて「わかってる!」と微笑んだ。
…八神くんとは少し、距離を置いてみてもいいかもしれない。



