「ねー真琴ぉ」

「おはよ、理彩。……何?」


週末なんてあっという間に終わってしまって、気がついたらまたしんどい1週間が始まる。


…昨日くらい、本なんて読まずに外に出かければよかった。
そうしたら、気分だってリフレッシュできたかもしれなかったのに。


なんて軽く伸びをしながら考えていると、理彩があたしの席の前まで来て、しゃがみこむ。



「これから体育祭までの間、ちょっと付き合ってほしくて。」


そう言ってヘラヘラ笑う理彩に、ものすごく嫌な予感がする。



「…何に?」

「体育祭の準備」

「あんたが1人で勝手に実行委員やるって言った訳で、あたしに手伝う義理はないと思うのね」


理彩の性格からして実行委員とかやらなさそうだなーって思ってたから不思議だったけど。


『あたし込みで』の実行委員だったってわけね。


「えーーだって真琴、絵うまいじゃん。
ポップだって可愛かったし」


頼むよ〜、とかなんとか言ってしがみついてくる理彩を剥がして、ため息。


…本当、こういう時だけ調子いいんだから。