慌てて取り繕うけど、まぁこんな態度じゃバレバレな訳で。
「いいね、梅しそ。一口食べていい??
あ、私のも食べていいよ」
「…いや、遠慮しとく………」
彼女が本当に梅しそのパスタだけを褒めたのかどうかはわからないけれど、とりあえず理彩のパスタを食べる気にはなれないかな…。
乾笑いで誤魔化すと、理彩は「えー美味しいのにー」なんて言いつつも梅しそのパスタを口へと運ぶ。
「それにしたって意外だよね、常連くん。
こういうの好きなんだね?」
何気なく言われた一言に、ピクリと体が動く。
これは、八神くんの好みというよりは……ーー
「あ、あー!そうなんじゃない?!彼気まぐれだし謎だらけだから、わかんないけど!!!」
「…?
なんか真琴顔赤くない?」
「あ、赤くない!!」
「ふーん…そう?」
理彩はどこか楽しげな様子で相槌を打つ。
あーもう、やだ。
なんかあたしばっかり、いっぱいいっぱいになってる気がする。



