「先輩、大分気持ち悪いです」

「そんなサラッと言わないでよ!」


なんなの、毎回毎回ムカつくな。
いいじゃん!好きな人のこと考えてにやけちゃうくらい普通じゃん!!


チッと舌打ちして鞄を掛け直すと、八神くんはクスクスと笑いながら隣を歩く。


「先輩、応援してくださいね」

「ねえ八神くん。リレーって学年別対抗なんだよ。
キミを応援したらあたし裏切り者になっちゃうわ」



……まぁ、少し。少しだけなら、心の中で応援しておいてあげるけど。


「ちぇっ、先輩のケチー」

「万一チームが一緒だったなら、他の競技は応援してあげるわよ」



フッと笑みを零すと、八神くんは「本当ですかっ!!」と顔を輝かせた。


「うわー俄然やる気出てきた」
「だからチーム一緒だったらの話だってば!!」


なんか途端に恥ずかしくなって、八神くんから顔を背ける。




「あ、そ、そうだ!
八神くん、ゆり先生とはどういう関係なの?」