「ちゃんと聞かれれば答えますよ。」
「じゃあなんであたしのこと、そんなに詳しいの」
「さぁ?なんででしょう」
「……。
じゃ、じゃあ、なんで毎週金曜、同じ本ばっかり借りに来てるの」
ニコニコ笑う彼を覗き込むと、ピタリと動きが止まる。
「………、さぁ?なんでも質問ばっかしないで、少しは自分で考えてください」
「あんたが聞いたら教えるって言ったんでしょうが!!!!!!」
なんなのよ、結局何も教えてくれないじゃない。
八神くんのことは、やっぱりさっぱりわからん。
「そんな答えにくい質問ばっかり先輩がするからですよ!もっと単純な質問なら答えられます」
「例えば?」
「そうですね…身長とか、生年月日とか、そういうのです」
「…じゃあ、誕生日。いつ?」
「2月14日です。
先輩は3月14日ですよね。誕生日にチョコもらえる同盟でも組みます?」
ニコニコしながらもさりげなくあたしの情報織り交ぜてくるの何。
確かに誕プレとかチョコとかでその日は身の回りがごちゃごちゃするけれども。
なんで知ってんの、ホラーだよ八神くん。



