ダンッと机に拳をぶつけて項垂れると、彼はヘラヘラと笑いながらも的確に私の心をグサグサと刺した。
「今ケーキ2皿目食べ終わろうとしてる人がなに言ってんですか。食べて痩せるなら人類苦労しませんよ」
「ぐっ…」
やめろ、正論であたしを論破しにかかるな八神くん。
そもそも誘ったのは君のほうでしょーが。
「だってケーキ美味しいもん。」
ぶぅ、と頬を膨らませると、八神くんはクスリと笑ってあたしの頬を弄り始めた。
「ちょっ、なにすん…」
「俺は美味しそうにケーキ食う先輩可愛くて好きですけどね。それに十分細いし、ダイエットとかしなくていいと思いますよ?」
「………軽くセクハラ発言すんのやめてもらえないかな」
「せっかく先輩のフォローしたげたのにー」
弄る手を払うと、八神くんはケラケラしながらオレンジジュースに手を伸ばす。
それを見て、あたしは最後の一口を放り込んで俯いた。
…危なかった。
八神くんのこういうとこ、苦手だ。
軽々しく可愛いとか好きとか言わないでほしい。
彼は何の気なしに言ってるのかもしれないけど、あたしからしたら言われ慣れない言葉のオンパレードなわけでして。
「フォローって、八神くんが先に言ったんでしょ」
ケーキを飲み込んで、彼から目をそらして、呟く。
……頬が熱いのは、きっと気のせい。



