【完】金曜日は、八神くんのモノ





多分、貧血か何かだった。
通学路で倒れたはずのあたしは、目が覚めたら保健室にいて。

すぐに誰かが助けてくれたんだってわかった。
お礼が言いたい。でも、顔もわからない。


そんな時に、同じクラスにいた新堂くんが、言ったんだ。

「今朝、大丈夫だった?」

って。



彼が助けてくれたんだろうなって、すぐに思った。

お礼を言っても、「そんなお礼言われるようなことしてないよ」って言われて。

彼の中では人を助ける行為は当たり前なんだなーって思ったら、胸の奥があったかくなって。


好きだなぁって思ったんだ。



「…それ、いつの話です?」

「え?だから4月だって…。始業式の次の日くらい….」


八神くんはそのまま、ふーん….と考え込んでしまった。

何か彼が頭を悩ませるようなこと、あたし言ったっけ。



「俺、多分それ見てましたよ」

「へっ」


あのお姫様抱っこされてたやつですよね、と八神くんが言う。


って、お、お姫様抱っこ?!されてたの!!?新堂くんに!!!?

わぁあ絶対体重知られた……。


5ヶ月くらい前のことを今更悔やんだってしょうがないけど、でもやっぱり思わずにはいられない。


「ダイエットしとけばよかった……っ!!」