パクっとイチゴのムースを口に放り込んで、あたしは首を傾けた。
それでも目の前の男は「先輩は人並みじゃないくらいには鈍感ですよ」とケラケラ笑う。
そこまであたしを鈍ちんにしたいのか、失礼極まりない奴め。
「だって先輩、自分が可愛いこと、気づいてないでしょ??」
「は。」
金曜日だけ男子の人数多めなの、そのせいですよ、と彼は笑う。
…なに言ってんの、土曜日は図書室閉まってるから金曜日にみんな用事済ませにきてるだけでしょ。それなりに女子だっているし。
まぁ、それは新堂くんのせい…なのか…?
元々図書室に来る人がほとんどいないけど。
「とにかく、男子が多いのとかは気のせいだから。ちゃんと男女比としては1:1だし」
「それは真琴先輩と新堂先輩のこと見にきてるんですよ。今度図書室に来てる人のこと、一回見てみたらどうですか?本読んでる奴なんてほとんどいないですよ」
……嘘だ。そんな言葉には騙されないよ、あたし。自分の身の程くらい、ちゃんと知ってるし。
「だから、そういうとこ鈍いって言ってるんですよ」
八神くんがいつの間にか止まっていたあたしの手の上に手のひらを重ねる。
「っ、ちょっと………」
「先輩はちゃんと、可愛いですよ」



