【完】金曜日は、八神くんのモノ






「はぁーっ、これで大丈夫かなぁ…」

ショッピングモールを出て、紺色に色づいた空を見上げる。


あの後すごく悩んで、すっかり夜になってしまった。
…別に、彼との明日が楽しみなわけじゃないけど。
ただ、自分が着る服だから、ちゃんと選びたかっただけ。

結局あたしが買ったのは、黒のシフォンブラウスに、白のチュールスカート。
スカートだけはと思ってたのに、あの店員さんが大袈裟に褒めるから……。

流されて、買ってしまった。



でも、やっぱり、こんな女の子みたいな服なんて、



「……似合わないよねぇ、」

どうして似合わないような服なんて買っちゃったんだろう。いくら流されやすいとはいえ。

もう、さっきの自分と言ってることがあやふやだし。


「はぁ、」

それもこれも、八神くんがデートだなんてバカなこと言うから。


ギュッと紙袋を握りしめた、その時。



「ね、ちょっと、お姉さんっ!」