「って、言ってもねぇ、、」
ガタン、ゴトン、と不規則に揺れる箱に乗せられて、ぼんやりと考える。
…八神くんと出かけるのに恥ずかしくない…なおかつあたしらしい服、ってどんなのなの。
だって、世の中の女の子達はきっと『男の子と2人で出かける』ならば、スカートとか、ワンピースとかなんだろう。
でもそれは確実にあたしのキャラじゃなくて。
私服はズボンしか持ってない…もっというなら、持っているスカートなんて制服くらいしかないこのあたしが?スカート???
「ないない……」
ありえないよ。たかが待ち合わせ場所に行くだけなのに、気合い入りすぎじゃん。
「どうしようかなぁ、、」
ため息を吐いて、緩やかに速度を落とす電車の中、おもむろに立ち上がる。
まぁ、行ったら何か、見つかるかもしれないし…ね。



