「はぁー、美味しかった!」
んーっ、と伸びをしてお店を出ると、八神くんがとってもニコニコしつつ、あたしの鞄を取り上げた。
「……、八神くん、なんのつもりでしょう。」
「八神くんは先輩を送るつもりです♡」
「鞄返して」
「えー?」
嫌ですよー、なんて語尾にハートマークがつきそうな八神くんの返事に、あたしはつい顔を顰める。
こいつ…、
食事の時から思ってたけど、やっぱりクソめんどくせえわ。
だって、だってさ?!
普通パスタをちょっと交換する位ならお皿ごと渡すかお皿の端にちょこっと乗せるだけでいいじゃん!?
なのにあろうことかこいつは……っ、
『あーん』してきたんだよ?!!!
「ありえなさすぎでしょ……」
はぁ、とため息をこぼすあたしの隣で、八神くんがニヤニヤ笑いながら2人ぶんの鞄を片手でまとめて持って、空いている方の手で私の手を包んだ。



