【完】金曜日は、八神くんのモノ




言いかけて、ふと、思い出す。


2人きりの、先生と、八神くん。

「ふふ、やっぱり真琴ちゃん見てたでしょ、あの時。綾くんは気づいてないみたいだったけど、私は気づいてたんだから〜」


「な…!知って……?!ていうか、綾くんって…」

綾くんって、もしかして、八神くんのこと??


『ゆり』と『綾くん』

どうしてそんなに親しげなの?


疑問符を浮かべるあたしに、ゆり先生は試すような笑みを見せる。


「私と綾くんの関係は、彼から直接聞けばいいわ。
それより、…真琴ちゃんはあの時、どんな気持ちだった?」


からかうような笑みに、むぅ、と目を細める。

……気づいてたんじゃない、先生。
それでいて2人きりなるとか、もしかしたら先生は、意外にも小悪魔なのかも。


「…正直、イライラしましたし、嫉妬しましたよ」

…だって、好きだから。


付け加えると、ゆり先生は目を見開いたあと、クスリと笑った。

「なぁんだ、真琴ちゃんって鈍感だからまだ気づいてないかと思ってたのに〜。
それならこんなこと、聞かなくても良かったわね。
…やっと綾くんが初恋の人だって、わかったんだ?」


「………!それは…」


先生の口ぶりで、察する。

あたしを助けてくれた人って、やっぱり…。