「だって知ったら………」
ーーーキーン、コーン…
「…え?」
聞き返そうとするあたしを制するように、新堂くんは目を伏せて、扉へと背を向ける。
「本鈴、鳴っちゃったね。ごめん、話に付き合わせて。
俺はもう授業に戻ろうと思ってるけど…柊は、どうする?」
「あ…。あたし、は…、もう少し、考えたいことが…」
言葉に詰まりつつ告げると、新堂くんは「そう」と呟いて、扉に手をかける。
「じゃあね、柊。悪いけど、今日の委員は俺1人にやらせてもらえないかな?」
「え?あ、……うん。わかった。」
当番を新堂くん1人に任せるのはどうにも心苦しかったけど、…流石にさっきの今で新堂くんと2人きりになるのは気まずい。
それに、きっとお互いに、整理したいことがあるはずだから。
頷いたあたしにまた微笑んだ新堂くんはドアを引いて、出ていった。