【完】金曜日は、八神くんのモノ









「せんぱーい、俺、お腹空いちゃいましたよ」

「はぁ…?」


通学路を歩いてしばらく、隣の八神くんが「ご飯行きましょーよー」と駄々をこね始めた。




…お前は子供かっ!!!

なんて、叫びたくなる衝動を堪えて、代わりにため息をつく。


もちろん、手はもう離しているけれど。





「せーんーぱーいーごーはーんー!!」


「あぁハイハイわかったから!うるさい!」



ぎゃーぎゃーうるさい八神くんに根負けする。


…しょうがない。本当は理彩と行くはずだったけど……




「…はぁ……八神くんって、スパゲッティとか、好き?」


「っ!はい!!めちゃくちゃ好きです!!…先輩、連れてってくれるんですか?」







…そんな露骨に喜ばれちゃあ……ね?



連れてかない訳にも、いかないじゃない。
ていうか、八神くんが連れてけって言ったんだし。




「……しょうがないから、連れてってあげる」


どうにも心がむず痒くなって目を逸らすと、




「ツンデレな先輩、俺めっちゃ好きですよ」


「っ?!ば、ばか。軽々しく言わないでよ、もう…」





…おかしいな、八神くんは歳下なはずなのに。


毎回、言い負けてる気がする。