【完】金曜日は、八神くんのモノ




「今、真琴が考えてること当ててあげよっか」
「え?」


唐突に真剣な声音が降ってきて、思わず顔を上げる。

真面目な声とは裏腹に、ニコニコと笑顔な理彩に、何故だかどきりとした。


「真琴のことだし、どうせ『ずっと片想いでいいや』って思ってるんだろうけどさ、それでいいの?
……ダメだよ、真琴。真実を知ろうともしないで逃げるなんて。そんなこと、させない」

「………真実…?」


引っかかった言葉が、ポロリと口から溢れる。
それに対して、理彩は一瞬、しまった、というような顔を作って、また笑顔に切り替えた。

「ま、まぁ、とりあえずはさ、今まで引いてばっかだったんだから押してみなよってこと!」

「………」


…もしかしなくても、理彩は何かを知ってる……?

そういや前に2人でパスタを食べに行った時、新堂くんの好きなところを聞かれて…。
あの時の理彩の様子、おかしかった。


「理彩……、…ううん、ごめん、やっぱりなんでもない」

「? そぉーお?」


『何を隠してるの』…言いかけて、やめた。

理彩があたしに秘密にするってことは、それはきっと、彼女の口から聞くべき言葉じゃないから。


でも……。

俯いて、制服の胸のあたりをキュっと掴む。


また、モヤモヤしてる。
訊けないまま、溜まっていく。

八神くんと理彩は、一体あたしに何を隠してるの………??