【完】金曜日は、八神くんのモノ






ーーえ、やだ、何意識しちゃってんの、あたし。

八神くんは別に、そんなんじゃなくて…


ワ、ワンコだよ!うん!!




ぱっと顔を上げると、八神くんはもう既にあたしの手を支えにして立ち上がってて、下靴も履いて、待っていた。


「……あ」



そっか、ここって、昇降口…

気づいた瞬間、顔からぼっと火が上がる。



待って、それって、あたしが八神くんと手を繋いでたり、「好き」だとかなんだとか、そういうのも全部人に聞かれてたってことで………。


途端に、人からの視線がチクチクと痛く感じた。


……新堂くんがいなくて、よかった。



けど!


慌ただしくローファーに履き替えて、八神くんの腕を引く。



「先輩?」


「いっ、いいから!さっさと帰ろ!!」


グイグイと八神くんを引っ張って、校門をくぐる。




あーもーやだ!恥ずかしい……!!!