「で??どうだったの、新堂くんとのデート」

「………聞かなくても、わかってるくせに」



あのデートの翌日。
SHRが終わった瞬間に、理彩が口を開く。


そもそもデートじゃないし。

唇を尖らせると、理彩が興味津々な笑みを浮かべて、


「真琴の好き嫌い云々の話はもう聞かなくてもわかってるけどさ??
気になるのは新堂くんのほうなワケ!ほら、絶対なんかあったでしょ??」

「……………」


何かあったかと言われれば…あったけど。



「…次は奢ってねって、言われただけ」

白状すると、理彩は一瞬ポカンと口を開けてから、爆笑し始めた。


「えー、なにそれもう新堂くん必死じゃん!ウケる」
「ぜんっぜん面白くないよ……」


はぁ…とため息を吐く。

誘ってくれるってことは、多少なりは好意を寄せられてはいるんだろうけど…。


「んーーーー……」


机に突っ伏して、唸る。

好意の矢印が一方通行すぎて、もうどうしたらいいのかわかんないよ。