僕に、恋してみたら?



「どうして……」「そんなの……今でも先輩が好きだからに決まってるじゃないですか!!」

「!」

「……言わせないで下さいよっ」


気づいて下さいよ。

わたしの先輩への想いは、先輩が考えているよりずっと大きいんですよ?

ちょっとやそっとのことで消えないくらい、膨らんでしまったんです。

そうじゃなきゃ、わたしは、キスしたいなんて言わなかった。

我慢できた。

あんなにワガママになんてならなかった。


器用で。

人の気持ちをよく考えられるくせに。


どうしてそこだけ鈍いんですかっ……。


――少し、沈黙が続いたあと。

先輩が、

「てっきりあんなにお洒落して男に会ってるから、デートかと思ってた」とつぶやく。


「偶然会って、話し込んでたらゲリラ豪雨に遭遇して……それで、柳くんの家にお邪魔したんです。ほら、あの日すごい雨降ったじゃないですか?」

「降ってたねぇ……」
苦笑いする先輩。