「ごめんね、柳くん」

「ん?」

「せっかく好きになってくれたのに」


なにも、できなくて。


「ほんとだよ。さっさと俺に抱かれろっての」

「……!!」

「嘘だよ、バーカ」
舌を出して笑う柳くん。


抱かれろ、なんて大人な単語が出てドキリとした。


「もう、こんな話はやめやめ。先輩に会えとか言わないよ。それより、その映画……辛気くさいな。もっと楽しいやつ見ようぜ」