隣でワナワナ震えている凜を見る。
肩に手をかけようとした時、思いっ切りはねのけられた。



「他に女の子がいるのに私と付き合ったの?信じられないっ。もう、最っ低。大っ嫌い」




凜は大声を出し、そのまま帰ってしまった。
追いかければいいのに、追いかけられずに家に入った。

大嫌いとか久々に彼女に言われた。



「ドンマイっ」



ヤツは落ち込んでいる俺の肩に手を乗せ、笑いを必死に堪えている。



「うるせぇ。お前のせいで凛と別れたんだからな」
「え?向こうは別れるって言ってなくない?」



言われてみたらそうかもしれない。
だけどあんなの、もう終わりだろ。本当になんてタイミングで家に上がってるんだよ。



「ま、巴稀別れて良かったじゃん」



何が別れて良かったじゃんだよ。
この後、男女の健全なお付き合いが始まろうとしてたのにっ。俺は最低限怒りを抑えヤツの胸ぐらを掴む。