この2人ってこんなに仲良かったの?同じクラスになった事ないのに?


「葵、オレオ好きなのに珍しい」
「まじ?じゃあ返す時、別の味買おっかな」


はい、俺めっちゃ空気じゃん。
ムスーっとした表情に諒平が気づいて笑う。



「俺らサッカー部の副部長とマネの関係」



なるほど。
そういえば諒平はサッカー続けてたっけ?俺は高校では辞めたけど。


「あ、もうチャイムが鳴る。じゃ、2人共バイバーイ」



元気よく手を振る乾さんをじっと見つめてから、俺は席に着いた。



「何?乾にホの字?」
「ホの字って…古いだろそれ。まぁ、どっちかって言うと苦手な方」



陽葵とどことなく似てる気がするんだよな。
気の所為であってほしいんだけど。


「お前も女子の事苦手って思うんだ。」
「思うよ」



てか、いまは結構傷ついてるから苦手だな。女子全般。
ふと弁当に目を落とすと、白い四つ切りの紙が入っていた。



『葵は、吾妻くんと話せて少しは喜んでいるみたいです。あと、私も少し喜んでます。こんな私ですが仲良くしてください』



授業中急いで書いたのだろうか。
ルーズリーフの片隅は所々破れていて、字も少し走り書きになっている。

…母さんっぽい感じな人なのになんでたろうか。

苦手なんだけど、こころを許してしまいそうになる。