ある男子の発言に周りは静まり返った。
これは今まで黙って聞いていた俺も流石にイライラする。
“本当に双子かよ。聞いたけどさ、誕生日違うんだろ?”
“他人の可能性高いよな”
この発言を聴いて、巴はどういう反応したか忘れた。
なんかクラスの男子の反応が腹立って、別に巴となんか友達でも何でもないのに、何故か俺は嫌な発言をしたヤツに筆箱を投げた。
とにかく腹が立ったんだ。
『何すんだよ菅原っ。ウッぜェ』
『てめぇーの妄想のがウゼェわ。つかキモイ』
そこで俺とソイツは取っ組み合いになった。
んだけど、俺はヤツのひたいめがけて頭突きをお見舞いした。
『いいよ菅原くん。よくある事だし』
『よくねぇーだろ』
普通に考えて。
兄弟でそんな事妄想されたら俺だったら引く。
『言われっぱなしなんか俺が腹立つ』
『だけど、彼戦闘不能だから』
巴の言葉を聞き、ヤツを見ると目に涙を浮かべていた。
『俺の代わりに怒ってくれてありがとう』
この言葉で、ツンとしてた俺が馬鹿らしく思えた。
そっからか……。
俺と巴がめっちゃ仲良くなったのは。
その時は結局詳しい事は聞いてないけど、巴の家は複雑であるんだなとは感じた。

