俺が住んでいるところは県庁所在地。
……があるところから少し離れた山ばかりの田舎。

まぁ、それなりにファーストフード点やカラオケは一応ある。

中学校は、三つの小学校から集まっている。
俺がいた小学校は1クラスで42人居た。
そこそこ仲良くて、俺自身そこそこモテた。

だけど、通学範囲が広くなるにつれ、イケメンは増えた。

中学3年間で1番モテたのは高校までずっと同じクラスの吾妻 巴稀だ。

中学1年で160cmはあったと思う。

身長高いわ、女の子には優しいわ…あと声変わりしてもなんか聞き入ってしまう声だった。

とにかく第一印象はコイツウゼェだった気がする。

正直、巴とだけは関わりたくなかった。色々面倒くさそうだし。

だけど、関わらずにはいられなかった。

何の因果か席替えをする度に席が近いのだ。

その度にアイツは


『菅原くんよろしく』


と一言声をかけるのだ。

それに俺は素っ気ない態度で“うん”とだけ返した。


そんな感じで過ごして半年ぐらい。

俺が1番前の席で巴が後ろになった時だった。


『巴稀っっ。お前何回言ったら気が済むんだよっっ』