桜の花は散り、夏がやってきた。
セミがとにかくうるさい。

エアコンがついてくれたおかげで、夏休みが短くなるのはやだな、と思いつつ。

「でも、夏休みは素晴らしい!」
「なぁ、成宮くん?」
「なんだよ、気持ち悪い。」
「祭りだ。」
「ん?」
水沢が笑った。

祭り=浴衣
やばい。木嶋の浴衣見たい。

「夏祭り行こうぜ!」
「おう!木嶋たちも誘おうぜ。」
「だな」

俺と水沢、木嶋、朝野の四人で、夏祭りに行く約束をした。
楽しみだ。

「ヤッホー」
「浴衣じゃん、真昼ちゃんかわいー!」
「へへっ」
二人はラブラブだ。
「お、おまたせ…」
声の方を振り向いて、声を失った。
見とれた。
「か、可愛い……」
「えっ、そ、そう?あ、ありがと」

「あいつら、早く繋がればいいのに。」
「ほんとよね」

りんご飴とか、綿菓子、射的などがいっぱいあった。
「沢山あるな…」
「綿菓子食べたい。」
「おう」
沢山人がいる中進んでいると、後ろからクイッと服を掴まれた。
「まって」
「木嶋」
「あ、あれ?水沢くんたちは?」
「あれ?…」

「はぐれた…」

ずっと歩いていたが、二人は見つからなかった。
「うーん、メールも見てねぇよ。」
「あ、あの、私たちだけでまわらない?」
「お、おう。そうだな!」
射的をやったり、かき氷を食べたり、最後のメインイベントの花火を一番見える場所に行って見た。
「綺麗ね…」
「そうだな…」
今日は、いい一日になった。

「結局、ふたりと合流できなかったな。」
「でも、楽しかったわよね。」
「あぁ。また、どっか行きたいな。」
そう言うと、木嶋が立ち止まった。
「あ、あの……!」
「ん?」
「こ、今度、二人だけでどこか行きませんか?」
「えっ」
「あ、嫌ならいいの。…」
「行く!」
俺が言うと、木嶋は笑った。

ルンルンで家に帰る。

そして、そこまでしてやっと気づいた。

俺の中の、初めての色。

……

恋?